また、インプラントには感染や炎症などの拒絶反応はなく、機械的安定性も良好でした。

今後、研究チームは、ラットの脳活動を測定し、感覚信号が脳に伝わっているかを確認する予定です。

将来的には大型動物モデルでの試験を経て、人間への臨床応用が目指されています。

この技術が確立されれば、歯科分野にとどまらず、股関節や骨折部位など他のインプラント医療にも応用できる可能性があります。

「自然の歯のように感じる人工歯」は、かつては夢物語でした。

しかし今、その夢が現実になろうとしています。

口の中の人工物が、“脳と会話する”未来が始まろうとしているのです。

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参考文献

Bioengineered tooth “grows” in place to look and feel like the real thing
https://newatlas.com/medical-devices/tooth-implant-innovation/

What if Dental Implants Could Feel More Like Your Real Teeth?
https://now.tufts.edu/2025/06/11/what-if-dental-implants-could-feel-more-your-real-teeth

元論文

Surgical considerations towards inducing proprioceptive feedback in dental implants
https://doi.org/10.1038/s41598-025-99923-8

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部