さらに問題なのは、それらの動画が特定の美的基準(痩せている、引き締まっている)を暗黙のうちに“正解”として提示している点です。
多くの動画には美容フィルターが使われ、カメラワークで身体のラインが強調されています。
「この食事をすれば、あなたもこんな身体になれる」という誤ったメッセージが刷り込まれる構造になっているのです。

ですが、こうした前提そのものが誤りです。
人の健康的な栄養状態や体型とは、遺伝や体質、生活環境、年齢、活動量、慢性疾患の有無や服薬状況など医療的背景など、多くの要素で決まるからです。
つまり、「あの人の真似をすれば、私も同じようになれる」は幻想なのです。
むしろ、それに固執することで健康を損ねることすらあり得ます。
では実際に、「私の1日の食事」系の動画は、それを視聴する私たちにどんな影響を及ぼすのでしょうか。5つの影響を考えてみましょう。
「1日の食事」動画がメンタルヘルスに与える5つの悪影響とその対処法
「私の1日の食事」系の動画は、それを視聴する私たちのメンタルヘルスに、以下の5つの危険な影響を及ぼすかもしれません。
① 不適切な食行動の誘発
動画を繰り返し見るうちに、「もっと食事を減らさないと」「この食べ方じゃダメだ」と感じ、食事のスキップや過食・嘔吐といった異常行動を始めてしまうケースがあります。
これは、摂食障害のリスクとなる不適切な食行動(食事制限や過食・排出行動)にあたり、放置すると深刻な精神疾患へと移行する可能性があります。
② 気分の落ち込み
他人と自分を比較することで、自分の身体や食生活への不満が強まり、「自分はダメだ」と感じるようになります。
特に、低カロリーな食事を“正しいこと”と刷り込まれることで、普通の食事すら“悪”に感じてしまう危険性があります。
③ ボディイメージの悪化
