つまり、「利益がでていない=消費者が欲しいと思っていないサイン」ということですね。

損失を被った起業家は、その資源をより有効に活用できる他の起業家に売却することができます。

工場は、別の会社に売却されます。従業員は、新しい仕事に就きます。

これによって、「もっと利益を出せる(消費者が欲しい物を作り出せる)企業」に、「限られた資源(工場設備や労働力)」が移ることになり、結果として、消費者のためになる商品がたくさん作られます。

つまり、社会がより豊かになるのです。

このプロセスは、世界中で日々さまざまな形で繰り返されています。

さらに素晴らしいことに、このプロセスはあらゆる変化に適応します。

例えば、人々の好みが変わるかもしれません。

甘いキャンディが人気でなくなり、塩味のチップスが好まれるようになるかもしれません。

キャンディ工場は閉鎖されるかもしれませんが、新しいチップス会社が誕生するでしょう。

個人が自分のお金の使い方を選択できるようになると、起業家がどこに投資し、何を生産するかに影響を与えることになります。

しかし、残念ながら、政府はこの利益と損失のプロセスに介入します。

例えば、政治家は税金や規制によって企業や産業にコストを課し、その事業の利益を減少させます。

これは起業家にとって悪いことだし、従業員にとっても悪いことだし、消費者が欲しい製品を手に入れられないという点で消費者にとっても悪いことです。

また、政府は利益を出していない産業を救済することもあります。

政治家は、「雇用の保護」を理由に救済措置を講じますが、その過程で、「利益を生む雇用」を破壊していることに気づいていないのです。

利益を出していない産業を救済することは、労働力を含む限られた資源が、人々が「購入する価値がない」と思う製品に使い続けられることになります。

日本の「ゾンビ企業」は、まさにこれですね。

地球上の資源は、無限にはありません。