これは実例がある。筆者の学生時代の友人に優秀な人物がいた。彼は米国の大学に留学し、マーケティングを学んで帰国。面接時に「マーケティングをやりたい」と伝えたが採用されたのは営業。「まあその内、おいおいで」と言われながら気がつけばアラサーに。年齢的な焦りを感じて退職し、次の会社では無事にマーケティングの仕事についたようだ。これが30半ばだと間に合ったかどうかは分からない。
もちろん短期離職を繰り返すジョブホッピングは、履歴書の一貫性を欠き市場価値を下げるリスクもある。「なんとなくあわない」「思っていたのと違った」といった抽象的理由では転職時にリスクと取られるので、やめるなら転職理由を厳密に言語化し、次の職場選びでは「仕事内容・文化・成長機会」の優先順位を明確にして「自分で」ミスマッチ防止の努力をするべきだろう。
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企業側、若手社員側の視点で考えても早期退職はまったく悪いこととは思わない。ただし「しんどいから辞める」を繰り返すと損をするのは自分である。セーフティネットはあっても、転職先の企業で温情はない。仕事は結果が全てであり、入社する相手に求めるものの本質は「粗利」であって若さそものもではないことは忘れるべきではないだろう。
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