特に口汚い言葉の中でも「Godd○○○it(神をののしる表現)」については、宗教的感情に触れるため、多くの参加者が強い不快感を示しました。
また、対面実験では「Damn it(くそっ!)」を使うロボットが、好意的に受け入れられるケースが多かったものの、無言に比べて「少し怖かった」と感じる人もいました。
さらに、若年層や一部の参加者は口汚いロボットをより「人間らしくて面白い」と感じ、好感度や不快感などは「汚い言葉を使わずに驚くロボット」と同等だと評価する傾向が見られました。
しかし一般成人では、ほとんどの尺度で両者を同等に評価するものの、口汚いロボットの方が不快に感じる傾向がありました。
これらの結果から分かるのは、口汚いロボットは「共感」や「笑い」の対象になりうるが、文脈や表現の内容には慎重さが必要だということです。
研究者たちはこの点を重視し、「口汚い言葉を発するかどうかはロボットが自律的に判断するのではなく、ユーザーに合わせてカスタマイズすべきだ」としています。
将来的には、家庭用AIアシスタントや介護ロボットが、ユーザーの感情に寄り添って「軽い愚痴」や「冗談」を言うことで、より豊かなコミュニケーションが生まれるかもしれません。
今後の研究では、文脈を理解し、適切な表現を選びとるロボットの発話戦略のパーソナライズ化や、文化圏ごとの受け入れ度合いの違いについても検証が求められます。
それでも、今回の研究で判明した「全体的に、無言のロボットより口汚いロボットの方が人は親しみを感じやすい」という事実は興味深いものです。
私たちは、完璧で冷静沈着なロボットよりも、失敗して「チッ」と舌打ちするような、感情の起伏のあるロボットを求めているのかもしれません。
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参考文献
Who Gives a S#!t About Cursing Robots?
https://spectrum.ieee.org/cursing-social-robot-interaction