そのような変化の早い時代においては、AI由来の新たなビジネスチャンスに乗る気概のある人こそが強い。「これまでこの仕事や分野でやってきたから」というサンクコストバイアスをはねのけ、新しい時代には不要となった不要なスキルや知識、思い込みをアンラーニングをして必要なことをオンデマンドで学ぶバイタリティが必要になる。
筆者も現在進行系でまったく未経験の新しい仕事にチャレンジしている。知識ゼロ、経験ゼロからの出発だがそんなことは関係がない。マーケットは個人の事情など無視して動く。常に変化する市場に求められることをやり続けるだけだ。
4. アジリティ
アジリティとは、「素早さ、軽快さ」という意味だ。ここでは「ただ速い」という物理的速度をいっているのではなく、行動力という概念的速度も含めての速さを示している。
たとえば、これまでは1つの商品サービスを市場に投入するまで膨大なコストと時間をかけていた。しかし、今は違う。生成AIでプロトタイプを数日で作り、市場にテスト投入。外れたらやり直し、当たったらそれを育てるという高速PDCAを回していく。
これまでの時代は「ミス=コスト」だったが、試行回数をAIが代わりに稼いでくれるようになったことで、他者との差は「行動の質」以上に「行動の量」が決定的になる。つまり「やらないと損」なのだ。
もちろん、ある程度の質がなければ話にはならないが、粗はAIがカバーする。筆者も成果物はパパッと作って細かい修正はAIがカバーするやり方に変えてから生産性は倍以上早くなった。これからの時代、ミスを恐れる期間はそのまま巨大な機会損失になると考えるべきだ。
5. AIを味方と考える
これまでの人類の歴史とは破壊と創造の連続だった。AIに限らず、新たなる世界は脅威と敵視で迎える人、その逆に好機と捉える人にわかれていた。いうまでもなく、優位性があるのは後者である。
「AI=敵」という被害者意識を手放し、ツールとして人生やビジネス全体としての設計図を描けるかが問われている。