米国初のローマ教皇レオ14世の人物像について、メディアでは様々な情報が報じられている。ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿の2人の実兄が弟の教皇選出を祝うためにバチカンを訪問したが、彼らによると、プレボスト枢機卿は少年時代から将来、聖職者になることを夢見ていたという。その点、ブエノスアイレス大学で化学を学んだ前教皇アルゼンチン出身のフランシスコ教皇(ホルへ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿)とは違う。

レオ14世、教皇選出後最初のミサを挙行、2025年05月9日、バチカンニュースから

レオ14世はフランシスコ教皇と同様、修道会出身(前者はアウグスチノ会、後者はイエズス会)だ。前者は20年以上ぺルーの宣教師として歩み、後者はブエノスアイレスの大司教だった。両教皇は南米教会と深く関係を有してきたことから、レオ14世はフランシスコ教皇の後継者と受け取る向きがある。一部ではレオ14世はフランシスコ教皇のクローンだ、といった論評も聞かれるほどだ。

先ず、両教皇の選出された時の年齢を見てみよう。フランシスコ教皇がペテロの後継者のローマ教皇に選出された時は76歳だった。一方、プレボスト枢機卿が今月8日、システィーナ礼拝堂で開催されたコンクラーベで第267代教皇に選ばれた時は69歳だ。両者の選出時の年齢の差は大きい。プレボスト枢機卿が名乗るレオ14世時代が長期政権となる可能性が考えられるのだ。

ちなみに、27年の長期任期だったヨハネ・パウロ2世の後継者に選ばれたべネディクト16世は78歳の時、ローマ教皇となった。その任期は8年間だった。フランシスコ教皇の場合、76歳の時に選ばれ、12年間教皇を務めた。レオ14世が尊敬するレオ13世の任期は25年間だった。

レオ14世はフランシスコ教皇によって枢機卿に任命された108人の枢機卿の一人だ。そのため、フランシスコ教皇が推進してきた教会刷新路線をレオ14世は継承していくだろう、と当然考えられるわけだ。実際、プレボスト枢機卿はレオ14世としてサン・ピエトロ大聖堂のバルコーンに出て新教皇の誕生を待っていた多くの信者の前に姿を見せ、ショートスピーチをしたが、その中で「フランシスコ教皇に感謝を捧げたい」と述べ、前教皇が推進していったシノドス路線を継続していく意向を示唆している。