吉原氏(以下、敬称略):そもそも上司に何かを上申する際に、説得してやろう、分からせてやろうというマインドは上司部下の位置関係が崩れるためおすすめしません。
部下が考えるべきは上司の承認を得るためにどういったプレゼンテーションをすれば良いかという点です。そして伝えるべきは想いや情熱ではなく、事実です。ビジネスなので数値と期限を用い、上司が意思決定をするのに十分な情報を提供する必要があります。
徳田:上司は見返す相手ではなく、承認してくださる相手なので、きちんと承認に必要な情報を用意しなければならないという視点、とても大事ですね。それでは、どういった情報を持っていけば良いでしょうか?
提案を通すために必要な5つの情報
吉原:2050年には人口が1億人を切ると言われている今、内需が減少することは確かです。しかし、熱量だけで海外販路開拓が成功するほど簡単ではありません。そのため、上司に承認書運を得るための必要な情報を揃え、上申しなければ前進することはできません。
・対象国 :どの国に販路開拓をするのか? ・期限 :どれくらいの期間挑戦するのか? ・必要予算 :販路開拓に予算が必要なのか? ・目標売上 :どの程度の売上が見込まれるのか? ・撤退ライン:どういった結果になったら撤退するのか?
根拠と計画を明確に伝えることで上司も挑戦を応援してくれるかもしれません。
もし、上司に上申してもなかなか伝わらない方がいらっしゃいましたら、これらの情報が不足しているかもしれません。是非、見直してみてください。
徳田:長年、海外販路開拓に携わってきた身として、上申する際のアドバイスをするとしたら、どんなに国内でビジネスが上手くいっていたとしても、海外販路開拓はすぐにうまくいかないということです。
弊社で日本では誰もが知るメーカーの支援をさせて頂いておりますが、その企業の海外販路チームの方とランチをさせて頂いた際に「日本では知らない人はいないかもしれませんが、海外では会社の名前でアポイントや成約が取れるなんてことはなかった。」とおっしゃっていたのが印象に残っています。