ところが日本も北米でも建設業には人気ありません。それでも北米は新移民層により業務の補完が可能なのですが日本はそれがあまり期待できず、今後、日本で電気工や配管工は貴重な存在になるでしょう。
私は日本にはそのような人材不足に陥る業種はそれ以外にもかなりあると思うのですが、その中で介護職の不足が気になっております。厚労省の発表によると23年10月時点で介護職の従事者が212.6万人で前年比2.9万人と初めて下落に転じました。この統計の発表が24年12月25日であり1年以上たってからの発表ですがトレンドから見れば大幅減少に転じていく予兆に見えます。
一方、要介護認定者は同年で705万人と伸び続けています。単純計算で一人の介護士さんが3.3人の面倒を見なくてはならないのです。また日本は介護保険の制度上の問題で訪問介護でも介護士さんが何か目的をもって作業をしに来るケースが大半です。いわゆるコンパニオンシップ(話し相手など時間を共に過ごすサービス)を提供しているところもありますが、人材不足の折、かなり厳しい状況にあると理解しています。
私は当地で介護事業の会社を支援していますが、多くのクライアントさんは初めは週2回ぐらい1回2時間ぐらいでスタートします。恐る恐るというか、サービスそのものが未経験なのでやむを得ません。が、しばらくすると半数ぐらいのクライアントさんは必ず頻度も時間も伸びていくのです。もちろんクライアントさんの健康状態の悪化故のサービスの長時間化もありますが、おひとりでお住まいの方々にとって話し相手が欲しいのです。またそこに人がいると安心感もあるでしょう。そうすると一人のクライアントさんに対する訪問介護が介護士と一対一の関係から複数人といったチーム対応を要求されるのです。長時間サービスのクライアントさんだと6名体制でシフトを組むこともあるのです。そうするとスタッフは何人いても足りないという事態が生じるわけです。