しかし、好きなように化粧品や衣服が手に入って自由に着飾れるとなったら、女性は女性らしく自分を飾る人が多くなりその分、自分の女性らしさも意識されやすくなると予想されるのです。

これは男性側も同様です。

そのため生活水準が高い国では結果的に女性はより女性らしく、男性はより男性らしく振る舞う人が増えるのです。

これは男女平等という社会変化に対して、逆に男女の心理的な性差は強化されているように見え「男女平等パラドックス」として観測される可能性があります。

これが不思議な矛盾の正体かもしれません。

こうして考えると、男女の心理的な性差とは、社会の変化に影響されない非常に頑強なものだと言えるでしょう。

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参考文献

Sex differences don’t disappear as a country’s equality develops – sometimes they become stronger
https://theconversation.com/sex-differences-dont-disappear-as-a-countrys-equality-develops-sometimes-they-become-stronger-222932

元論文

A Systematic Review and New Analyses of the Gender-Equality Paradox
https://doi.org/10.1177/17456916231202685

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部