またSTEM教育については、社会の男女平等が進んだ結果、女性が自由に興味のあるものを学ぶ機会が拡大したためだと考えています。
しかし性格特性と認知パターンに着目すると、平均的な生活水準が高く、男女平等が進んでいる社会ほど、男女の性差がより大きくなる傾向が見られました。
性格特性を見ると、男女平等が進んでいる社会ほど、男性は自己愛や衝動性、忍耐などのスコアが女性より高くなり、女性は協調性や外交性、利他主義などのスコアが男性より高くなっていました。
わかりやすい例を上げると、男性はより怒りを表に出して表現しやすく、女性は悲しみなどの感情を表に出して表現しやすい傾向があり、また恥じらいについては、男性は低く、女性は高いという結果になっています。
また認知パターンを見ると、女性はエビソード記憶(具体的な出来事や経験についての個人的な記憶)や言語能力のスコアが男性より高くなっていました。

以上の結果からチームは、個人の性格や認知パターンでは、男女平等が進むことで「男女平等パラドックス」が十分に発生しうると述べました。
その理由について断定的なことは言えませんが、チームは「男女の性格的な性差は、社会的な役割から生じるものではなく、物質的なニーズに対応して生じる」という推測をしています。
これはどういうことかというと「男性らしさ」「女性らしさ」というものは社会の要請によって強制されているわけではなく、自分好みに自分を演出するための商品が自由に選択できる環境になったとき、男性はより自分を男性らしく、女性はより自分を女性らしく飾ることに価値を見出すため、強化されていくということです。
もし、物資が不足している地域の場合、女性は化粧品も手に入らず、衣服も有り合わせの物を着るため男性と似たような格好で過ごすかもしれません。