また、6月~9月頃にかけて行われる試合はJリーグの場合大半がナイターでの開催だが、JFL(日本フットボールリーグ)や地域リーグなどは、日中の時間帯に開催される試合も多い。さらにユース世代以下に至っては、一部の強豪校や有名クラブチーム以外、練習場にナイター設備が無いのが通常だ。

Jリーグはすでに秋春制の導入が決定しているが、JFLや地域リーグ、育成年代の環境では夏場に猛暑の中で試合を行えば熱中症のリスクが高まることは言うまでもない。このような極端な環境下では、選手のパフォーマンス低下も懸念される。ここ数年の猛暑で、近年では試合中に飲水タイムを設けることもある。スタジアム施設や練習場の格差により日没後の活動ができない環境下では、多くの若者がサッカーというスポーツ自体から離れてしまう状況も考えられる。

このような観点からも、気候変動対策を進めることでアマチュアレベルの競技環境の持続可能性を確保することが急務と言えるだろう。


湘南ベルマーレ サポーター 写真:Getty Images

各クラブの取り組み

『気候アクション月間』における各クラブの取り組みは様々で、サポーターが参加する独自のイベントも行われている。柏レイソルでは『フードバンクちば』と協力し『フードドライブ』を実施。さまざまな理由で余っている未開封食品を集め、必要な人に届けることで食品ロスの削減に取り組んでいる。
また、アスルクラロ沼津は6月8日のホームゲームにて『全力気候アクション!バスでGOキャンペーン!』を実施。スタジアムでの観戦時、バスを利用することでCO2削減に貢献する取り組みを行った。

ヴァンフォーレ甲府ではスポンサー企業と協力し、ホームゲーム来場者に家庭にあるリサイクル可能な廃棄物の持参を呼びかけ、特設ブースにて回収を行っている。湘南ベルマーレは『 LEADS TO THE OCEAN〜海につづくプロジェクト〜』に参加。ホームゲーム終了後、ファン・サポーターと一緒にスタジアム周辺のゴミ拾いを行なっている。なお、このプロジェクトは『公益財団法人日本財団』と『NPO法人海さくら』が共催しているもので、湘南のほか川崎フロンターレやカターレ富山、ジェフユナイテッド千葉、モンテディオ山形などJリーグからは計18クラブが参加している。