この幼生が曲者である。似た姿のオタマジャクシなら雑食なので野菜やコメ等を与えておけばいいのだが、サンショウウオは基本的に動く物しか食べない。しかも生まれたての幼生は1cmにも満たないので小さな動く生きエサが必要だ。

色々と調べた結果、生きたミジンコを調達しなくてはならないようだ。調達方法は自然から採取してくるか、ペットショップで買うか、ブラインシュリンプなるものを使うかだ。色々試した結果、ペットショップで買ってきたミジンコを培養しそれを与えていた。

ある程度大きくなるとエサ問題が楽になる

4月中旬頃になると幼生たちもある程度成長し2cmくらいになる。これくらいになるとエサはある程度の大きさの物も食べられるようになる。冷凍のアカムシを解凍し、ピンセットで2~3匹つまんでサンショウウオの目の前をちらつかせる。

ウーパールーパーみたいなオタマジャクシを持ち帰って飼育したら『カスミサンショウウオ』だったエサのアカムシを与えている(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

この時期は食欲旺盛なのか、結構な量を食べる。何度もエサをあげていると慣れてくるのか、水槽をのぞき込んだだけで水面に浮いてくる個体も居た。かわいいもんである。満腹になるとアカムシをちらつかせても全く反応しなくなる。

この時期は空腹なら目の前の動く物にとりあえずかぶりつくようで、しっぽが短くなった個体が数匹居た。共食いを避ける為、全員が満腹になるまでせっせとエサやりをする。

陸化する時は脱走に注意

5月の中頃になると、頭の左右にあったエラが無くなっていく。陸化の合図だ。カスミサンショウウオはカエル同様に子供の頃は水生、成長すると陸生になる。

この変化の時はエサを食べなくなるようで、アカムシをちらつかせても全く反応しない。エラ呼吸から肺・皮膚呼吸になるので水から上がることのできるものを水槽内に配置しておく。

ウーパールーパーみたいなオタマジャクシを持ち帰って飼育したら『カスミサンショウウオ』だった成長すると陸生になる(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

水槽の壁をよじ登る個体もいるので、脱走に注意したい。足の小指の爪くらいの隙間でも脱走する。水槽内に姿が見えない場合は周辺の影になる場所をよく探すと脱走兵を大体発見できる。

成長とともに水槽を一新