さらに無音にも関わらず、耳鳴りの音が強烈に耳をつんざき、鼓膜を突き破りそうな感覚に襲われるという。
それでも室内に居座り続けると、今度は平衡感覚が失われていき、自分の力だけでは立っていられなくなって、眩暈や吐き気を催してきます。
やがて体の感覚が完全に狂ってしまい、強い不安感に苛まれ、精神のバランスが崩れてしまうのです。
オーフィールド研究所の代表であるスティーブン・J・オーフィールド(Steven J. Orfield)氏によると「無響室では椅子に座らずに30分以上いることは不可能である」という。

これまでに無響室にいた最長記録は約55分ですが、多くの人はたった数分いるだけで「出してくれ」と懇願するのだそう。
沈黙とはそれほどまでに人を狂わせる狂気の世界なのです。
無響室は音響作業をする人たちにとって最高のサウンドが作れる夢の空間であると同時に、人間の精神を蝕む最悪の環境のようです。
こちらからオーフィールド研究所にある無響室がご覧いただけます。
こちらはマイクロソフト社内にある無響室です。
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参考文献
Orfield Laboratories is home to the quietest room on earth — but that’s not all
https://www.cbsnews.com/minnesota/news/finding-minnesota-orfield-laboratories-anechoic-chamber/
The Quietest Place On Earth Is Minus Decibels
https://www.iflscience.com/the-quietest-place-on-earth-is-minus-decibels-74176