”沈黙の世界”に私たちは耐えられないようです。

米ミネソタ州ミネアポリスにある「オーフィールド研究所(Orfield Laboratories)」は、地球上で最も静かな場所としてギネス世界記録に認定されています。

より正確にいうと、研究所内にある「無響室」がそれにあたります。

この部屋の壁は音の99.9%を吸収するように設計されており、その静けさは人が1時間もいると発狂してしまうほどだという。

一体どのような世界なのでしょうか?

目次

  • 「無響室」とはどんな世界なのか?
  • 無響室では1時間もいると発狂する

「無響室」とはどんな世界なのか?

おーフィールド研究所の表看板
おーフィールド研究所の表看板 / Credit: Orfield Laboratories Inc.

オーフィールド研究所は1970年に建てられ、当初は「サウンド80」という名前のレコーディングスタジオとして使われていました。

あのボブ・ディランやプリンスもこの場所で録音を行っています。

その後、スタジオは1975年以降に、音響と照明のデザインサービスを提供するオーフィールド研究所の管理になりました。

そして1994年にはスタジオ内に音響研究所が増築され、「無響室」が設置されるに至ります。

無響室とは、外部の音を完全にシャットアウトしながら、内部の音の反響を極限まで吸収するように設計された部屋のことです。

それを可能にする仕組みとして、室内にはくさび形の吸収材が壁・天井・床の全方面に敷き詰められています。

オーフィールド研究所の無響室では、これにより音の99.9%を吸収できるようになりました。

オーフィールド研究所にある「無響室」
オーフィールド研究所にある「無響室」 / Credit: Orfield Laboratories Inc.

2021年に実施されたテストでは、室内の環境音レベルは驚異のマイナス24.9デシベルを記録しています。

一般に私たちの耳が聞き取れる最小音の限界レベルが0デシベルです。