「怒り」を鎮める簡単な方法というのはあるのでしょか?

名古屋大学大学院 情報学研究科のチームによると、自分が怒りを感じた内容や状況を紙に書いてゴミ箱に捨てることで、気持ちが怒りを感じる前の状態にまで鎮まることを報告しています。

さらにゴミ箱に捨てるだけでなく、その紙をシュレッダーにかけることでも怒りが消えたとのことです。

この方法は家庭や職場で怒りを効果的にコントロールする方法として役立つと期待されます。

研究の詳細は2024年4月9日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されました。

目次

  • 怒りを鎮めるための従来の方法とは?
  • 怒りを紙に書いてゴミ箱にポイッ!シュレッダーでもOK

怒りを鎮めるための従来の方法とは?

怒りは暴言や暴力を生み出し、人間関係を壊すこともあるため、怒りを抑えることはとても大切です。

従来の研究では、怒りを効果的に抑制する方法として「アンガーマネジメント」という心理スキルが唱えられてきました。

具体例としては、イライラして暴言を吐きそうになったら心の中でゆっくりと1から6まで数をカウントする「6秒ルール」などが挙げられます。

6秒数えている間に怒りの感情が自然に収まるというものです。

ただ、この方法は主観的な経験にもとづく方法であって、実験や客観的事実によって効果が実証されたものではありません。

6秒数える間に怒りが鎮まる?
6秒数える間に怒りが鎮まる? / Credit: ja.wikipedia

また他にも怒りを制御する方法はいくつか知られています。

1つは「再評価」という心理スキルで、これは怒りを誘発した出来事や状況に対する解釈を変える方法です。

例えば、満員電車の中で足を踏まれてイラッとした際に「人ごみに押されて偶然に踏んでしまっただけだろう」と見方を変えます。

もう1つは「自己距離化」という心理スキルで、これは怒りを感じている自分を第三者の目線で捉える方法です。