カナダの郵便事業者であるカナダポストが24年11月から12月にかけて1か月間ストライキを行いました。この時期はクリスマスカードを送る時期に重なり、郵便は滞留し、パスポートやビザなどが時間内に受領できない人が続出するなど大混乱になりました。それを教訓にオンライン化が一気に進みます。私の会社を含め企業では多くの請求書業務もオンラインに切り替えたため、郵便に頼る仕組みがほぼ消えたのであります。
数週間前にカナダポストが半年前の暫定決着に不満で再びストライキに入ると予告した際には「またか!」という声が出たものの各社事前対応ができていたのか、案外落ち着いて様子を見ていましたが、組合側も「NO残業ストライキ」という一風変わった形となり、実質業務には影響が出ていません。それはカナダポストが毎年大赤字を計上しており、値上げしても値上げしても赤字が埋まらない中で従業員の給与など上げてられないという経営側と物価高の中、組合側との鋭い対立が背景なのですが、利用者無視の姿勢が結局郵便敬遠という行動に転じるわけです。
日本で「それは海の向こうの話だ」と思われては困ります。日本の郵便取扱数は2001年の262億通をピークに2023年度は136億通まで減っています。ざっと半分です。案外、郵便数を支えているのが年賀状ですが、それ以外にも時代と共に無くなりそうな郵便物は思いつきます。例えば株主総会のお知らせはその一つでしょう。あれが本当に郵便で来る必要があるのかと思うのです。私が思う一番簡単な方法は個々人が口座を持つ証券会社のネット口座に総会案内をリンクすればよいのではないかと思うのです。
また銀行の各種お知らせ郵便や動力用水会社の検針や請求書も一部はなくなりつつありますが、まだたくさん来ます。(特に東京都水道局はシステムが古すぎる!)私のように賃貸住宅の経営をすると動力用水の口座数が多いので電気、ガス、水道だけでもうんざりするほど郵便が来ていました。これもこの5年ぐらいで各社の事務効率の向上とオンライン化で半減しており、今後、各社は郵便ゼロ化を目指すのでしょう。そうなるとあと数年で郵便取扱数が100億通を下回るのではないかとみています。