これはブラックホールの質量が非常に大きいほど、引き裂かれた恒星の物質がゆっくりと落下し続けるためだと考えられています。
また、ENTが発生した銀河のホスト環境も興味深いものです。
これらの銀河は、今から約80億年前の宇宙に存在していたもので、現在よりもはるかに星形成が盛んで、ブラックホールも活発に成長していた時期にあたります。
このことはENTが単なる一過性の現象ではなく、初期宇宙におけるブラックホールの成長過程の重要な手がかりを提供していることを意味します。
さらに、ENTの発見数はまだわずか3例ですが、将来的な観測によって、ENTの大規模な調査が進めば、ブラックホールと銀河の共進化の謎に迫る鍵となる可能性があるとのことです。
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参考文献
UH astronomers discover the biggest explosion since the Big Bang
https://www.hawaii.edu/news/2025/06/04/biggest-explosion-since-big-bang/
Astronomers detect most powerful explosions since Big Bang
https://www.popsci.com/science/most-powerful-explosion-in-universe/
元論文
The most energetic transients: Tidal disruptions of high-mass stars
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adt0074
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部