自転車と車はいがみあう間柄?

車に乗っていると、自転車の存在ってけっこう気になりますよね。
自転車は不安定な走りをしている場合がありますし、危険な乗り方をされることもあります。
そんな自転車に対して、好ましくない印象を持っているドライバーも多いのでは?
ただ、とあるアンケート調査によると、自転車側にも車に対する思いや言いたいことがあるようです。
イーデザイン損保のアンケート調査

2025年5月8日、イーデザイン損害保険株式会社(以下、イーデザイン損保)が、自社アンケートの結果をプレスリリースで発表しました。
イーデザイン損保では、車と自転車との対立意識についてのアンケート調査を2025年1月に実施。調査結果の1つとして、次のデータをプレスリリースに掲載しています。

こちらのグラフには、「”車に危険・迷惑だと思われるのに、ついやってしまう運転”として自転車ユーザーが共感できるもの」を調査した結果がまとめられています。
もっとも多い回答は「交通量に合わせて車道と歩道を交互に移動しながらの運転」。車のドライバーから見ると、いつ車道に出てくるか予測できない迷惑な運転といえます。
こうした自転車の乗り方をしている人も、「これって危険で車に迷惑かも」と自覚しているようですね。
車と自転車が「相手にやめてほしい運転」
イーデザイン損保のプレスリリースには、「車が自転車にやめてほしい運転」と「自転車が車にやめてほしい運転」を調査した結果も掲載されています。
こちらは自由回答の一部が抜粋されていて、車側の意見には「左右や後ろを確認せずに走路変更」や「スマホを触りながらの運転」などがあがっています。
対する自転車側の意見にあがっているのは、「幅寄せ」や「自転車走行帯を塞ぐ路上駐車」など。
なるほど、自転車への幅寄せは危険ですし、進路をふさぐ路上駐車は迷惑な行為といえます。
青切符で自転車の危険運転は減る?
……ということで、車と自転車には対立意識があり、互いへの不満を抱えているようです。
まあ、筆者もよく自転車に乗りますから、車に対してイラッとする気持ちもわかります。とはいえ、ほかの自転車を見て「もうちょっと交通ルール守ろうよ」と思うこともしばしば。
交通ルールといえば、2026年4月からは自転車の「青切符(反則金制度)」がスタートしますよね。
青切符が導入されれば自転車の危険運転も減りそう……と思うのですが、この制度の効果ってどのぐらい期待できるのでしょうか?
自転車の青切符とは?

ここで簡単に、自転車の青切符について解説しておきましょう。
この制度はドライバーにはおなじみの「交通反則通告制度」を自転車にも適用するもので、2024年5月に参院本会議で可決されました。
交通反則通告制度とは、軽微な交通違反の処理を効率化するための制度です。
「反則金を納めたら事件の処分が完了しますよ」というもので、自転車には次のようなルールが適用される予定となっています。
16歳以上の運転者が対象
適用対象となる反則行為は113種類
反則金額は原付きバイクと同額
違反点数はつかない(車やバイクの免許に影響しない)
上記のルールで青切符の運用がはじまった場合、自転車に対する反則金額は次のようになります(一例です)。
指定場所一時不停止|5,000円
信号無視(赤)|6,000円
横断歩行者妨害|6,000円
スマホ・携帯電話などの使用(ながら運転)|12,000円
車に対する反則金とくらべると、上記の金額は安めです。とはいえ、手痛い出費にはなりそうですよね。
自転車の取り締まりは甘め?
反則金額を見ると、自転車の青切符はなかなか厳しい制度のように思えます。
ただ、「自転車の取り締まり(青切符)は悪質性や危険性の高いケースを対象として、その他のケースでは指導警告とする」というのが、警察の基本方針のようです。
あれ?ずいぶんソフトな方針じゃない?
……って気もしますが、自転車は免許不要の乗り物ですから、厳しく取り締まれないのも仕方がないのかもしれません。
とはいえ、ちょっと疑問もわいてきます。なんだか微妙な感じもする青切符、これって自転車の運転マナー改善に役立つのでしょうか?