今年は第2次大戦終了から80周年を迎える。勝利した連合国側にいたのか、それとも敗退の枢軸国側にいたのかでこの年をどう記念するかが変わってきそうだ。

欧州の複数の国では毎年5月8日を連合国側の勝利を記念する「欧州戦勝記念日」(通称「VJデー」=Victory over Japan Day)とし、さまざまな祝典を開催してきた。

この日が選ばれたのは、1945年5月8日、ベルリンでドイツのヴィルヘルム・カイテル元帥が全面降伏文書に署名し、欧州における第2次大戦が終わりを告げたことに由来する。ただし、欧州で完全に戦闘が終結したのは、独ソ間の「プラハの戦い」が終わる5月11日である。

時差の関係から、ロシア(旧ソ連)では5月9日が対独戦勝記念日となっており、カザフスタン、ベラルーシなど多くの旧ソ連諸国もこの日を対独戦勝記念日とする。

ドイツでは、5月8日が終戦記念日である。

ドイツとともに枢軸国側だったイタリアでは、4月25日が「イタリア解放記念日」で、事実上の終戦記念日となる。1945年のこの日、ドイツ軍に占領されていた地域が解放され、「ナチス・ドイツとファシスト政権からの解放」を祝う日として定められた。

対日戦勝記念日

欧州諸国では1945年5月で終戦となったが、米国からすると太平洋戦争がまだ続いていた。日本がポツダム宣言の受諾によって無条件降伏を決定したのは8月14日であり、日本の終戦記念日は周知のように翌15日である。

米国では、トルーマン大統領が戦闘終結を8月14日に発表しているが、戦勝記念日は9月2日になる。東京湾上に停泊させた米戦艦「ミズーリ」において降伏文書の調印が行われた日だ。この日は「対日戦勝記念日((「VJデー」=Victory over Japan Day)」とも呼ばれる。

筆者が住む英国では、8月15日がVJデーになる。在英日本人にとってこの日は少々居心地が悪い。英国でのVEデー及びVJデーの催事を紹介しながら、戦争に勝った国と負けた国の受け止め方がいかに異なるかを考えてみたい。

国を挙げて祝う、英国のVEデー