しかもオーストラリアは前回の対戦では1vs1で引き分けています。まだ、ワールドカップ出場を決めていないオーストラリアは全力で勝ちに来ることでしょう。私たちも「出場が決まったから…」と安心せずに、熱量を上げて全力で応援しなければなりません。
そこで、前回対戦の失点を振り返り、オーストラリアの全力を交わす攻略法を考えることで応援したいと思います。
前回対戦の失点、その心理学的要因とは?
前回対戦の失点はDF谷口のオウンゴールによるものでした。しかし、これは谷口を責められない心理的要因が大きく影響したものでした。前半は日本代表が70%を超えるボール支配率を見せ、シュート数は6対1、コーナーキックも5対0とオーストラリアを圧倒していました。
日本の攻撃力に対してオーストラリアは図1のように強固な5バックを敷いて対抗。トレーニングされた大男が5人も全力で守れば流石に点が入らず…。日本代表は無得点で前半を終えます。そして、この展開の中で選手の意識のほとんどは敵の守備ブロックをどうこじ開けるかに集中していたことでしょう。
その中で図1のような場面が生まれてしまいました。サッカーとは不確定要素が多いスポーツなので、技術で圧倒したとしても敵ボールになる瞬間はかならずあるものです。敵の守備グロックを攻略したい選手たちはそのほとんどがマイボールになった際に有利なポジションに散ってしまい、日本の守備ブロックが驚くほど手薄になっていたのです。

図1 日本代表失点シーンのイメージ
守備ブロックの意識が薄められたワケ
そこで、日本の左サイドでボールを持ったオーストラリア選手が完全にフリーになる隙を与えてしまったのです。サッカーにおいて一番有利なのは上手い選手ではなく、ボールを持ったフリーな選手です。そしてこの選手は自分で仕掛ける…という時間のムダをしない選手でした。日本の守備ブロックが整う前に…という選択で前線の味方を信じてアーリークロスを放り込みます。