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料金所をスルーする無法者たちも…
運転席からの支払い、地味に面倒

料金所をスルーする無法者たちも…

「すべての車が料金所で止まって現金払い」“ETC普及前の高速道路”ってどんなだったか思い出聞いてみたら「40万貯金できた」…何したの!?
(画像=©paylessimages/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

当時の料金所には各ゲートに徴収員が配置されており、止まった車から料金を受け取る形式でした。ゲートにバーなどは設置されておらず、次のような異常事態もよく見られたといいます。

「1990年前後の大阪には環状族っていうのがいて、毎晩改造車に乗った暴走グループが阪神環状(阪神高速1号環状線)をグルグル回っていたんですよ。とんでもないスピードで一般車両の間をジグザグ抜けていき、しょっちゅう死亡事故なんかにもなってね。

見かけるたびに怖い思いをしていましたけど、環状族はみんな、料金所をそのままノンストップで抜けていくのね。料金所突破とかいって、何台も連なってビュンビュン抜けていくもんだから、それだけ見ると『あれは何のためのゲートだ?』って感じでしたね」(60代男性)

阪神環状での暴走行為や、違法改造、チーム間での抗争など、当時環状族と呼ばれた人たちの所業は現在でも語り草とされています。車両のナンバーも外したり隠したりしているため、料金を徴収することが難しかったようです。

運転席からの支払い、地味に面倒

「すべての車が料金所で止まって現金払い」“ETC普及前の高速道路”ってどんなだったか思い出聞いてみたら「40万貯金できた」…何したの!?
(画像=@Paylessimages/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

料金所での現金払いは、混雑の面でも厄介ですが、「運転席で支払いの動作をすること」もなかなかに面倒だったと思われます。スムーズに支払うために、車メーカーやドライバーたちはさまざまな工夫をしていたようで……。

「最近、コインホルダーのある車を見かけなくなりましたよね。ハンドルの奥とか、コンソールに設置されている小さいヘコミのやつ。料金所が現金払いだった頃は、かなり便利だったんですけど。

とくに女の子を乗せているときには、料金所で手間取っていたら格好がつかないですからね。迎えに行く前に、わざわざ自販機でお札を崩してセットしておいたり。

でもあれ、コインの収まりが悪いと、振動でカチャカチャうるさかったりするから、ちょっと安っぽい印象にもなっちゃいますよね。まぁ色々、今は便利になりましたよ。どんどん、こっちが工夫する必要もなくなっていますからね」(70代男性)

現在でもコインパーキングをはじめ、運転席から支払いをしなければならない場面はありますが、事前精算機などによりその機会は大幅に減っています。インフラの変化と車の装備の変化が密接に関係していることを示す、興味深いエピソードです。