バラ科バラ属。本州(宮城県以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、中国、台湾からフィリピンまで分布している。内陸部の雑木林や草原には同属のノイバラが分布しているが、葉の表面が光沢を持っていることで区別できる。
ノイバラと同様、花びらが5枚の白い花を咲かせるのがバラ科植物の証。ノイバラ同様、花びら先端の中央部が少しくぼんでいて、花びらがハート型であるのが可愛い。

ハマボウ
アオイ科フヨウ属。関東以西本州、四国、九州、韓国まで分布している。海岸部の潮汐の影響をうける湿地や干潟に生育する。7~8月に黄色い大きな花を咲かせるが、夕方にはしぼむ。
同属のハイビスカスときわめて近縁の植物で、日本原産のハイビスカスといったところ。海水に浸かっても生育でき、種子が潮の流れで運ばれるため、干潟ではクリーク(水路)に沿って生えている。
和歌山県では御坊市の日高川河口部左岸に大規模な干潟があり、ハマボウの群生地として市の天然記念物に指定されている。私は以前に仕事でハマボウについて研究したことがあるが、花木のハイビスカスと同じように、挿し木でふやすことができる。写真は8月に日高川河口のキス釣行の時に撮影したものである。

四季を彩る海岸性植物
日本には四季があり、様々な植物が目を楽しませてくれる。投げで、磯で、川釣りで、アタリが遠のいた時などにふと足元に目をやると様々な植物が生育していて驚かされる。釣り場の周辺は天然の植物園なのである。
海岸部の雑木林の斜面や砂浜の後方は、崩れやすく足場の悪いところもあり、植物に接近しすぎると転落などの危険があるところも存在する。無理のないように安全にウォッチングしたい。時期を見て秋〜冬編をお届けする予定である。
