マメ科レンリソウ属の植物、アジア大陸からヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカと分布域の広い植物。
エンドウと名前がついているが、切り花で販売されるスイートピーに近い仲間の植物である。3~5月に主に砂浜や砂利浜などで、紫色の花を咲かせる。
マメ科のエンドウやソラマメなどの野菜、エニシダやスイートピーと同様、花の形は蝶型花(蝶が羽を広げたような形)であるのが特徴。写真はやはり4月に田辺・芳養で撮影。

ダンチク
イネ科ダンチク属の植物、本州から南西諸島、台湾、中国、インドから地中海まで分布し、高さ2~4mにもなる。繁殖力が旺盛である。和歌山県の沿岸では砂浜や砂利浜の後背部や雑木林との境目、河口部などにも生えている。
和歌山県の有田から日高地方特産品のサバのなれ寿司を包む葉はこのダンチクである。写真は5月に紀ノ川河口で撮影した。ヨシと似ているが、草丈は2~4mにもなる。

木本植物(樹木)
続いて、木本植物3種を紹介。
ウバメガシ
ブナ科コナラ属の樹木。千葉県以西の本州の太平洋側から四国、九州、沖縄、韓国(済州島)、中国まで分布している。開花期は4~5月。温暖で乾燥した保水力のないやせた山地に生育する。
葉の表面が厚いワックス層で覆われ光沢があり、「照葉樹林帯」という気候区分名はこのような樹木の葉の表面の外観からきている。和歌山県の県木になっていて、古くから備長炭の原料として利用されてきた。
また、南部町から田辺市の梅林は、ウバメガシが中心の山林の中腹部を開墾したもので、山頂近くはウバメガシの樹林が残され、山地の保水とともにミツバチなどの住みかとなり,虫媒花であるウメの受粉に役立っている。
このようなサステナブルな農業の仕組みが2015年、「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産に登録された。写真は3月に田辺・芳養への釣行の時に撮影。
