「あなたが覚えている一番古い記憶は何ですか?」こう聞かれて、多くの人が思い浮かべるのは、おそらく学校に通い始めた頃の、ぼんやりとした短い思い出だろう。「生まれたばかりの頃の記憶がある」なんて言う人も稀にいるが、覚えていないのがほとんどだろう。

 しかし、人間の意識は実際どのように発達し、なぜ4歳から5歳くらいの間に突然「スイッチが入った」ように感じるのだろうか?この興味深いテーマについて、あるTikTokユーザーが驚くべき仮説を提示し、話題を呼んでいる。

意識は生まれつき?赤ちゃんの脳の秘密

 TikTokユーザーの@itsmattw_01氏は動画の中で、人の意識は生まれた時から存在しており、就学前の数年間に突然現れるものではないと説明している。実際、フランスの研究者たちによる数多くの研究では、生後5ヶ月の赤ちゃんでも意識の兆候が見られることが示されているのだ。

 学術誌「Science」に掲載された研究によれば、外部からの刺激に対する脳の反応を測定した結果、1歳の子どもでも大人と同様の電気的活動の変動(事象関連電位:ERPと呼ばれる)が見られたという。一方、生後5ヶ月の赤ちゃんでもERP活動は見られたものの、その反応はよりゆっくりとしたものだった。

 つまり、私たちの脳は、たとえゆっくりとしたペースであっても、生まれた時からほぼ機能しているということになる。学術誌「Trends in Cognitive Sciences」に掲載された研究では、意識は妊娠第三期(妊娠後期)という早い段階で発達し始める可能性さえ示唆されている。

 さらに、バーミンガム大学の研究者たちは、指差し、意図的なコントロール、明確な記憶といった行動が、人が意識を獲得したことを示す「指標」であると明らかにしている。