あなたも持っているかも?世界各地の邪視よけお守り大図鑑!
さて、これほどまでに恐れられた邪視。人々がただ黙ってその脅威に甘んじていたわけではありません。世界各地には、この「見えざる呪い」から身を守るためのユニークで魅力的なお守りや呪術が数多く存在するのです。さながら、邪視よけアイテムの世界博覧会といったところでしょうか。
■定番中の定番!青い目玉「ナザール・ボンジュウ」

トルコのお土産屋さんなどで必ず目にする、青いガラスに目玉が描かれたお守り「ナザール・ボンジュウ」。これは邪視よけの代表格で、家や車に飾られたり、アクセサリーとして身につけられたりします。この「見つめ返す目」が、邪視の悪意を跳ね返してくれると信じられているのです。
■神秘のハンドパワー「ハムサ(ファーティマの手)」

中東や北アフリカで広く用いられる、手の形をしたお守り「ハムサ」。イスラム教では預言者ムハンマドの娘ファーティマの手、ユダヤ教やキリスト教文化圏では聖母マリアの手などとも呼ばれ、邪視だけでなく様々な災厄から持ち主を守るとされています。5本の指がそれぞれ特別な意味を持つとも言われているのです。
■イタリア伊達男の秘密兵器?「コルナ」と「マノ・フィコ」

情熱の国イタリアでは、邪視を払うための独特なハンドサインがあります。「コルナ」は人差し指と小指を立て、他の指を握り込むジェスチャーで、角を象徴し魔を祓います。一方、「マノ・フィコ」は親指を人差し指と中指の間に挟んで握り込む形で、これは古代ローマでは男性器を象徴し、強力な魔除けとされました。驚くべきことに、現代で侮辱的な意味で使われる「ファックサイン」も、元々は古代ローマで邪視よけのサインだったという説もあるのですから、文化とは実に興味深いものです。
■古代ローマの最終兵器「ファリックチャーム」
古代ローマでは、男性器をかたどった「ファリックチャーム」が邪視よけに絶大な効果があると信じられていました。ペンダントや指輪として身につけられたり、建物の石彫りやモザイク、風鈴などにも用いられたといいます。一説には、この露骨な性的シンボルが、邪視を放つ者の精神を乱し、呪いをかける集中力を削ぐと考えられたようです。日本の縄文時代の遺跡から出土する石棒も、同様の呪術的な意味合いがあったのかもしれません。