ではそれら若者の親はどうなのか、といえば成人した子供を面倒見ることが物理的にも精神的にも無理な状態にあるのでしょう。かつては親や親戚による社会道徳教育と抑制効果がありました。ところが親戚づきあいも淡泊になり、若者は誰にも頼れなくなります。親の年齢層は大方40代後半から50代。つまりバブル崩壊後に一番苦労した世代であり、人のことを構っている余裕などない世代です。当然子供も放任だし、子供が犯罪に手を染めてもただ茫然とするだけということではないでしょうか?
もちろんそんな簡単なストーリーばかりではなく、複数の因子が複雑に絡んでいることは確かです。ただ、最近の詐欺行為、あるいは若者による殺人事件を見ていると行動が極めて短絡的で動物的な感じがします。なぜ動物的になったか、これも異論はあると思いますが、スマホの使い過ぎで一部の人に考える能力が失なわれているように感じます。そこまで行くと退化であって、人類の危機とも言えるかもしれません。
はたしてこの問題をどう解決していくか、対処法ばかりではなく、人間の生き方の根本的な検証が必要ではないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年6月1日の記事より転載させていただきました。