カンボジアで日本人の特殊詐欺グループ約20名が拘束され、プノンペンに移送されました。同施設は厳重に警備されていたとされますが、それは部外者の侵入を防ぐより内部の人間の脱走を阻止するものではなかったか、ともされます。数か月前にはミャンマーでも特殊詐欺拠点が摘発され話題になりましたが、捕まった日本人はわずかでその前に逃げたともされます。ミャンマーとカンボジアの両問題で共通なのは拠点がタイ国境に近く、アクセスはタイからのルートを使っていた公算が考えられます。

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悪い奴というのは何処の世界にもいるものです。ただ、その中で私の感じる特徴としてアジア系の犯罪は集団化して行うケースが多いのに対して欧米のそれは比較的少人数、極端なケースでは一人で犯罪を犯すケースがみられます。
その根本的違いは犯罪に限らず、多くの行動を起こす場合、アジアは組織を層状にしてピラミッドのような形にしたうえで代替しやすく、時として「トカゲのしっぽ切り」になるのに対して欧米は厳密な作戦のもと少数精鋭で、組織に対する信頼度は低いのではないかと感じます。例えば犯罪とは真逆の話ですが、ミッションインポッシブルとか007の映画にみられるように能力を持った特定の人間がフォーカスされやすいとも言えます。白人の世界では人海戦術のような組織づくりはあまりないと思います。日本で英雄が生まれにくいのもそのあたりの背景があるのかもしれません。
同じアメリカ大陸でも一歩メキシコに踏み入れればまるで違う世界で、中米の犯罪は組織が主体です。だいぶ前ですが、メキシコの太平洋側リゾート地からメキシコシティまで夜行バスで行くという話になった時、「死にたいならどうぞ」と言われたことがあります。途中でバスジャックされやすいという訳です。もう1つは私の友人がアメリカから南米まで乗り合いバスだけで行く旅に挑んだのですが、コロンビアだけはあまりにも危険で横断するバスそのものがなく、たしかパナマあたりで諦めたという話もありました。