最近、日本のテレビニュースで捕まる犯人の若者の顔を見るとどう見てもそのあたりにいる普通の人なのです。かつては犯罪に手を染める人は極悪非道の姿形から入ったもので見た目に「怖そう」というイメージが重要だったと思います。パンチパーマのお兄さんとかいましたよね。今の時代はまるで普通の若者なのです。

何が若者をそうさせたのか、そしてなぜ組織犯罪に加わるのでしょうか?

個人的には社会の二分化が根本的な背景だと感じます。中学、高校あたりになると勉学というよりクラスに溶け込めない人が出てきます。更に社会人になるともっと厳しく、会社組織について行けず、仕事が出来なければ会社の仲間から叱責されるケースもあるでしょう。個人的には会社組織における陰険ないじめの方がメンタルへのインパクトは強く、やむを得ず退社しても次の就職口がない人がどんどん社会的存在場所をなくしていく、そんな風に見えるのです。

その背景は社会が可視化されるようになり人の表面的判断がしやすく、その印象が瞬時に関係者に伝わるSNS効果はあると思います。そのため排除された人には住みずらい世の中になっているのでしょう。我々一般人はだんだんナローマインド(narrow mind、狭い心)になっていて他人を受け入れるキャパシティが小さくなり、自分とウマが合う人だけを取捨選択するのです。

例えば私が小学校の時はクラスにサラリーマンと共に豆腐屋とか床屋の子供、更には事業を営んでいる家の子供など多種多様だったし、それに対していちいち差別意識は持たず、同じクラスの仲間として遊んだものです。ところが時代と共に親がそうさせなくなったと思います。「〇〇さんの家は良くないおうちだからあまりお友達にならないでね」と子供に囁くのです。子供は他の仲良しに「うちのお母さんがこう言っていたよ」と全部ばらします。するとそこに明白な差別意識が生まれてしまうのです。

成人しても人間、お金がなければ3つしか生きる道がありません。親と同居するパラサイトか、乞食になるか、犯罪に手を染めるか、です。現代社会において乞食はあまりにもみじめでメンタル的ハードルは高いと思います。(ただ一度乞食をやると止められないともいわれます。)要はお金に困った人でも見栄えを気にする中、軽い気持ちで「日当稼ぎ」ぐらいのノリで入り込むのだろうと推測しています。