2つ目はこの化学反応が高熱を発生させるため、オイル燃料が加熱され、燃えやすくなること。
そして3つ目は化学反応のプロセスで「酸素」が発生するため、それをオイル燃料に高濃度で混ぜられることです。
あとドラゴンに必要なのは、ガソリンエンジンのキャブレター(ガソリンを霧状にして空気と混ぜ合わせ、エンジンに送り込む装置)に相当するような生物的な器官でしょう。
これがあれば、オイル燃料を酸素を混ぜ合わせながら、霧のように細かく噴霧できるので、着火もより簡単になるといいます。
では最後に、この可燃性のジェットを引火させるための「熱源」について見ていきましょう。
さあ、奴の力を借りて「火」をつけよう!
ここまでの時点で、ドラゴンが火を吐くための「燃料」と「酸素」が出そろいました。
しかし、これではまだドラゴンの口から高温のジェットが漏れているだけなので、火はついていません。
私たちがドラゴンの前にチャッカマンでもかざせば簡単に火はつきますが、そうはいきませんね。
そこでローチ氏は、ドラゴンに自力で着火させてもらう方法として「デンキウナギの能力を搭載したらいい」と考えます。
デンキウナギはご存じのように、体内に発電器官を持っており、そこから最大800ボルトもの電気を発生させることが可能です。

この発電器官をドラゴンの口内に搭載するとどうでしょう?
ドラゴンが高温ジェットを噴出するタイミングで、口内に短い電気パルスを発生させます。
すると電気パルスが高温ジェットと接触することでスパークし、酸素を豊富に取り込んだオイル燃料が着火されるのです。
これにより、私たちがファンタジー作品でよく目にするドラゴンの強烈な火炎放射が実現するとローチ氏は考えます。
つまり、「フルマカモメ」と「ミイデラゴミムシ」と「デンキウナギ」の能力をまとめて持っていれば、ドラゴンの火炎放射は可能になるのかもしれません。