また、「課題研究や探究学習に参加している」子どもたちも、進路意識が高いことがわかりました。
さらに、家庭では「両親とよく会話をしている」ことも、進路探究の促進要因になっているようです。
つまり、子どもたちの将来意識は、「大人との対話」と「探究体験」によって育まれる可能性があるということです。
ロールモデルの紹介やキャリア教育の機会を通じて、子どもたちが多様な将来像を描けるような環境づくりが大切だと分かります。
未来は固定じゃない!選択肢はアップデートして広がっていく
この10年にわたる調査は、子どもたちの人気職業には「教師」のような定番があること、また「ユーチューバー」のような新しく揺れ動く職業があることを示しました。
重要なのは、「1つの夢に縛られすぎない柔軟さ」です。
AI時代・デジタル時代には、いま存在しない職業が子どもたちの選択肢になることも十分予想されます。
時代とともに変わる社会、進化する職業に対応するには、子どもたち自身が自分の未来を“アップデート可能”なものとして捉える必要があります。

そのために必要なのは、家庭や学校が連携し、ロールモデル紹介や探究学習の場を増やすことです。
そのようにして職業を深く考えるよう促すなら、自然と学習意欲も高まっていくはずです。
キャリヤ教育はもはや“進路指導の一コマ”ではなく、子供の学び全体を支える基盤として扱うべきです。
本調査の知見はその再設計のヒントを提供するものとなりました。
未来は変えられる。だからこそ未来を見つめ、今をどう過ごすかが大切なのです。
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参考文献
「進路を深く考える経験」は学習意欲を高め、学習行動を促進(PDF)
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400264920.pdf