今回の釣行では、本来はカヤックフィッシングに向いていないタックルをあえて使用しましたが、そのぶんホビーカヤック・アウトバックの性能に助けられたと感じています。特に印象に残った2点をご紹介いたします。

方向転換がしやすい

ライトタックルを使用している場合、強引に魚の向きを変えるようなファイトはできません。そのため、自分の後方やカヤックの反対側へ魚がまわり込む状況が発生しやすくなります。

そんなとき、足漕ぎのホビーカヤックは、ラダーを目一杯切ってペダルを踏み込めば、クルクルとカヤックの向きを変えることができ、魚とのやりとりがしやすい角度に調整できます。

魚との位置関係が適切であれば、ロッドの破損やラインブレイクのリスクは大幅に低下します。これこそが、ライトタックル使用時における重要なポイントだと言えるでしょう。

両手がフリーな状態でも方向転換が可能なのは、足漕ぎカヤックならではの大きなメリットです。

「渓流タックルでブリと格闘!」三浦半島カヤックフィッシングでイナダが連発【神奈川】魚の引きに合わせた方向転換が簡単(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

安定性抜群の船体

4.8ftという非常に短いロッドを使用する際、シートにどっかりと座ったままでは、バウ(船首)を左右にかわすようなロッド操作ができません。そのため、短いロッドで魚の引きをいなすには、身を乗り出して腕を伸ばす必要があります。

しかし、もともと立って釣りができるほど安定性のあるホビーカヤック・アウトバックであれば、ベタ凪の海でヒザ立ち程度の動きはまったく問題ありません。カヤックの安定性に信頼をおけるからこそ、スリリングなファイトを思う存分楽しむことができたのです。

「渓流タックルでブリと格闘!」三浦半島カヤックフィッシングでイナダが連発【神奈川】安定感のある船体(提供:HOBIE JAPAN)

タックル選びも自由

今回は、ライトタックルでサバに遊んでもらうつもりが、それ以上のパワーを持つゲストたちに恵まれるという、うれしい誤算となりました。また、これまで5号以上のリーダーしか使ってこなかった筆者にとって、2.5号でも十分戦えると実感できたのは大きな収穫です。