キャリアは、一粒で二度おいしい機械を作り上げたのです。

特許申請時にキャリアが描いたエアコンの模式図
特許申請時にキャリアが描いたエアコンの模式図 / Credit: patentimages

キャリアはその後、1914年の第一次大戦を機に、12年勤めた同社を辞め、数名の技術者とともに、新たな会社を設立。

この会社は現在も「キャリア・グローバル・コーポレーション(Carrier Global Corporation)」として存在し、世界150カ国以上でエアコンや冷凍庫の販売を手がけています。

もちろん、キャリアの作ったエアコンは完全無欠だったわけではありませんし(冷却用の化学物質には有害なものも含まれていた)、のちの時代で、サイズや形状、機能の大幅な改良がなされました。

(冷却用の化学物質も現在は、ハイドロフルオロカーボン:HFCという塩素ガスを含まない、安全なものを使っている)

しかし、キャリアの発明がなければ、エアコンの登場は今よりずっと遅れていたかもしれません。

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参考文献

Who invented air conditioning, and why there’s more than meets the eye to his humble invention
https://www.zmescience.com/science/who-invented-ac-19072022/

Carrier celebrates over a century of modern air conditioning
https://vir.com.vn/carrier-celebrates-over-a-century-of-modern-air-conditioning-94932.html

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。