これらの研究から分かるのは、既にパートナーがいる人は、魅力的な異性から誘惑された時、その相手に少しでも惹かれてしまった自分に罪悪感を覚え、パートナーとの関係を強めようとすると分かります。

男女でどう行動するかは異なりますが、消費行動によって「より自分を魅力的に見せる」ことで、今のパートナーとの絆を強めようとしていたのです。

もちろん、今回の研究には限界もあります。

たとえばこの研究は主に中国の都市部の若年層を対象にしており、文化的背景や世代、恋愛観の違いによって、異なる結果が出る可能性もあります。

また、実際の購買データではなく「購買意向(どちらを選ぶか)」を測定しているため、実際の行動とは異なるかもしれません。

それでも、今後この研究が発展すれば、恋愛状況を分析するマーケティング戦略や、関係維持のための新しい行動モデルの構築 など、さまざまな分野への応用が期待されます。

そして何より、この研究は、自分のパートナーに生じた小さな“変化”の理由に気づかせてくれます。

「最近、彼がやけにアクティブだな…?」 「彼女が急にブランド物に目覚めたぞ?」

そんな行動変化の裏には、もしかしたら小さな恋の揺らぎが潜んでいるのかもしれません。

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参考文献

Encountering romantic temptation nudges men and women toward different types of purchases
https://www.psypost.org/encountering-romantic-temptation-nudges-men-and-women-toward-different-types-of-purchases/

元論文

I am better when I am bad: effects of romantic alternatives on nonsingle men’s versus women’s experiential and material purchases
https://doi.org/10.1007/s12144-024-07068-0