次世代型情報共有プラットフォーム構築で、業界全体の発展を目指す
――航海気象分野における今後の成長戦略をお聞かせください。
まず、外航船向けウェザールーティングの強みである「リスクコミュニケーション」をAI化します。これまでルートプランナーは気象データやそのブレ幅(不確実性)、過去の航路実績から航海リスクとルート選定の説明を行ってきましたが、この独自のノウハウをAI化することで、次世代型のウェザールーティングサポートを実現できるでしょう。
また乗船中の船長向けのサービスでは、ナビゲーション関連データを拡充し、航海計画の作成機能を強化します。また、ウェブプラットフォーム上での陸上スタッフとのチャットコミュニケーション機能や、航行警報、座礁リスクなどの各種アラート機能も充実させます。さらに、沿岸のお客様向けには『ウェザーニュース for business』に加え、世界的に拡大するカーボンニュートラル市場に対応し、洋上の風力発電・再生可能エネルギー関連のサービスを強化することも重要な戦略の一つです。
あとは、APIのデータラインナップを拡充です。従来は自社プラットフォームを通じたコンテンツ提供が中心でしたが、お客様の業務のDX化ニーズに柔軟に対応するため、各社のシステムに組み込める形でのAPIデータ提供を強化します。これにより、お客様のDXを支えるパートナーとしての地位を確立したいです。
最後に、一般サポーター向けモバイルアプリの運営で培った知見を活かし、航海気象分野における情報共有プラットフォームとなるモバイルアプリの開発を進めたいと考えています。このプラットフォームを通じて、必要な情報をすべての関係者に確実に届け、業界全体の発展に貢献していきたいです。
(取材・文=福永太郎)