要するに、時間が早く過ぎると感じるのは、退屈で中身がなかったからではなく、むしろその時間が自己成長や満足感に満ちて充実していたからだと言えます。

研究者らはこの感覚をネガティブに捉えるのではなく、「その期間がよく生きられた証である」と前向きに捉え直すべきだと提案しています。

実際、研究チームは「時間が飛ぶように過ぎるのは、それだけ多くを得たからだ」と表現し、人生の加速を嘆くのではなく充実の証しとして再評価するよう強調しています。

人生の時間が駆け足に感じられるのは、ある意味では“よく生きた”結果なのかもしれません。

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元論文

Why Life Moves Fast: Exploring the Mechanisms Behind Autobiographical Time Perception
https://doi.org/10.1177/01461672241285270

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部