
5月24日~25日に第18節が開催された2025明治安田J1リーグ。前節終了時点までわずか1勝のみで最下位に沈む横浜F・マリノスは、ホームに首位鹿島アントラーズを迎えた。
「直近7連敗中の横浜FM対7連勝中の鹿島」という真逆の状況に置かれるチームがぶつかった今節、序盤からゲームを動かしたのは横浜FMだった。開始早々DF永戸勝也がこぼれ球をダイレクトに蹴り込み先制点を挙げると、その後もFWヤン・マテウスが立て続けに2点を挙げ前半30分までに3点のリードを奪う。前半のうちに鹿島に1点を返されるも以降は得点を許さず、実に12試合ぶりとなる勝利を収めた。
首位を打ち破った横浜FMだが、残留圏である17位との勝ち点差は「8」と開きがあり未だ窮地に立たされていることに変わりはない。しかし、過去には今季の横浜FM同様の状況から残留に成功したクラブもある。ここでは、2022シーズンのヴィッセル神戸を例に、現状との共通点や横浜FMが残留のためにクリアすべき課題について見ていく。

横浜FMと神戸、4つの類似点
まずは現時点での横浜FMと2022シーズン神戸の共通点を4つ挙げておこう。ひとつ目は17試合を消化した時点での勝ち点だ。現在の横浜FMは2勝5分10敗で勝ち点は「11」だが、当時の神戸も17試合を消化した時点ではまったく同じ戦績および勝ち点で状況は酷似していると言えよう。
次に挙げるのは得失点差の類似点。ここまでの横浜FMは得点15の失点26で得失点差は-11。一方で当時の神戸は得点15の失点25で得失点差-10となっており、やや横浜FMの方が悪いもののほぼ似た数字となっている。
3つ目は早々に監督交代へと踏み切った点。2022シーズンの神戸は三浦淳寛監督が指揮を執っていたが、開幕から7戦未勝利となった時点で退任。その後の2試合をリュイス・プラナグマ氏が暫定的に指揮し、以降は過去にセレッソ大阪や清水エスパルスを率いたミゲル・アンヘル・ロティーナ氏を経て現在もチームを率いる吉田孝行監督へと移り変わった。一方今季の横浜FMは、新指揮官のスティーブ・ホーランド監督で開幕を迎えたが、第12節終了後にヘッドコーチであったパトリック・キスノーボ氏へと交代している。神戸同様、今後さらなる監督交代が必要となってしまうのか引き続き注視していきたいポイントだ。また、偶然の一致ではあるが、ともに清水との試合を機にシーズン最初の監督交代が行われていることも言い添えておく。