少年野球時代から巨人ファンというよりも王と長嶋にあこがれていたので、王さんの日本新記録55本を大リーグのマグワイアが破ったことで、大リーグの実力のほどを現地で知った。そのうえ彼は、その翌年にMLB新記録となる1シーズン70ホームランを打った選手でもあり、その1年前の試合を観たことになり、後から振り返ると思い出に残る大リーグ野球観戦になった。
ダクラスカウンティ高齢者サービス公社(DCSS)での観察と調査
さて、毎日3人一緒では何かと疲れるので、自由行動の日を設けた。その日私は、ローレンス市にあるダグラスカウンティ高齢者サービス公社(DCSS)がやっている福祉施設に、単独で飛び込み訪問した。公報担当の方から活動についての説明を聞きながら、心の中では日本の福祉施設と比較していた。
同じようなサービスメニューをもち、デイサービス、コミュニティ・サービス、娯楽と学習、高齢者向けの食事、移送サービス、ボランティア活動の機会の創造などは、洋の東西を問わず似たような内容であると実感した。
ただ日本と全く異なっていたのは、それらの活動内容を記載した資料すべてに、つぎのようなまことにアメリカらしい宣言が明記されていたことが印象的であった(金子、1998:154)。
DCSSの収入源
この公社の収入源は、①ダクラスカウンティ工場税46%、②連邦政府補助金20%、③独自の収入プログラム15%、④寄付金5%、⑤介護のためのクーポン4%などで構成されていた。このうち寄付金による食事プログラム(減塩や低砂糖分のダイエット食も可能)は、訪ねた施設でも月曜から金曜日まで昼食のみ高齢者(60歳以上とその配偶者)に提供されていた。
ローレンス市内の施設ではその2階がレストランになっていて、訪問時では人種の異なる30人ほどが一緒にランチを食べていた。また月曜から金曜まで、登録した100人の在宅高齢者にも昼食が配送されていた。