一つひとつの口コミを確認するなど運用には非常に注力
――他の口コミメディアと比較して、口コミの質の違い、というものはあるのでしょうか。
鴻池氏 当社の口コミには満足した内容も不満足だった内容も、両方掲載していますが、「誹謗中傷」は掲載されないという特徴があります。なかには「それ(誹謗中傷)も含めて読みたい」というユーザーもいますが、見て不愉快になることがないよう、一つひとつの口コミを確認するなど運用には非常に注力しています。その点に安心感を持つユーザーも多いんです。
――そういった細やかな対応は「Googleマップ」のようなグローバル企業のサービスにはない特徴ですね。
鴻池氏 加えて、詳しいレビューを書かれる方が多いのです、口コミを見ていただければ感じられると思いますが、純粋に「素敵な体験を伝えたい」という方が多く、お店の歴史や雰囲気、料理についての細やかな情報、お写真など、読む人にとって参考になる情報をお寄せくださっています。
参考になる口コミを書くとフォロワーがついたりいいねが送られたり、といったことがあるため、レビュアーの方たちのモチベーションも高いのかな、と感じます。
――では最後に、今後、実施していきたいことは。
鴻池氏 インバウンド対応をより充実させていきたいですね。食べログ多言語版では、英語、中国語の簡体字・繁体字、韓国語でインバウンド予約が可能です。また食べログの店舗会員向けに、「インバウンド向けモバイルメニュー」というサービスも実施しています。来店した訪日外国人のお客様がスマートフォンで専用QRを読み取ると、外国語に翻訳されたメニューを閲覧できるもので、店舗会員であれば無料でご利用いただけます。一般的に使われている翻訳アプリも便利ですが、当社のサービスは飲食店での利用に特化しているため翻訳の精度が高く、お店の方からも「助かったよ」と高く評価されているんですよ。
――飲食店さんとお客さんを繋ぐインフラのようなものですね。
鴻池氏 加えて将来は、お子様連れで来店できるかどうか、バリアフリーへの対応状況はどうか、あるいは文化や宗教、健康上の理由から特定の食材を避けたい方への情報などもお伝えしたいと思っています。現在は、情報の正確性をどのように精査すべきか答えを探っている段階ですが、今後はこういった社会的に必要とされるサービスも充実させていきたいと考えています。