これらの棒状突起はアイスホッケーのスティックやゴルフのパターのように先端が湾曲した形になっていました。
一時期は「こんなものが爬虫類の背中から生えるわけないので、植物の葉っぱがたまたま一緒に化石化しただけではないか」との意見もありましたが、この説は2012年にはっきりと否定されます。
この植物のような突起の一つ一つは確かに鳥の羽毛に似ており、中央には羽軸のような構造もあって、それが背骨に結合していた証拠が見つかったのです。
その一方で、突起の材質は明らかに羽毛とは違い、また鱗というよりも皮に近いことがわかってきました。

これと並行して、「棒状突起は二列に並んでいたのではないか」と推測する研究者がいました。
これは「ロンギスクアマの突起が空を飛ぶために使われていた」と考えたかったからです。
二列に並んでいれば、それが左右に展開されることでトンボの翅(はね)のようになります。
とはいえこの説を推す研究者たちも、ロンギスクアマの羽がトンボのようにパタパタと可動したとは考えられなかったため、現生するトビトカゲのような滑空用に使っていたのだろうと推測しました。
その仮説をもとに復元されたロンギスクアマがこちらです。
トカゲとトンボが悪魔合体したみたいですね。

この仮説ものちの研究ではっきり間違いだったと否定されています。
ロンギスクアマの突起はあくまでも一列しか並んでいなかったのです。
しかしそうなると、ロンギスクアマの突起が何のためにあったのかますます訳がわかりません。
そこで研究者はこれと別に「羽毛の起源だったのではないか」との仮説も立てています。
羽毛の起源か?用途はなんだったのか?
