しかしながら、肝心のチームは降格圏から勝ち点2の16位に沈んでおり、北原自身もフル出場の経験がなく、未だノーゴールだ。ルヴァン杯2回戦のRB大宮アルディージャ戦(NACK5スタジアム大宮/3-1)では延長後半7分までプレーし、シャドーの位置で攻撃では相手DFの股下を通すスルーパスや、強烈な左ミドルシュートを披露。守備でも果敢に体を張った。

まだプロとしてのキャリアをスタートしたばかりだが、ピッチに立てば年齢など関係ない。まずは練習からアピールし出場時間を増やした上で、得点やアシストなど目に見える結果を残し、チームの成績に貢献する働きが求められるだろう。

一見すると線の細さが目立つがタックル成功率は100%。パスセンスやフリーになりボールを受ける空間認識力には目を見張るものがある。その才能と成長速度を考慮すると、FC東京で初となるベストヤングプレーヤー賞を獲得する可能性は十分にあるだろう。


中島洋太朗 写真:Getty Images

MF中島洋太朗(サンフレッチェ広島)

サンフレッチェ広島MF中島洋太朗は、ユース所属の2023年にクラブ史上最年少の17歳でプロ契約を結んだ。昨2024シーズン公式戦17試合に出場し早くもその才能の片鱗を見せ、U-20日本代表の中心選手でもある。視野の広さと両足での高精度なパスが特徴で、攻守両面でチームに貢献できる選手だ。

今2025シーズンから正式にトップ昇格すると、2月の富士フィルムスーパーカップ・ヴィッセル神戸戦(国立競技場/2-0)ではフル出場を果たし、攻守にわたる活躍でチームの勝利に貢献した。2024年10月にはJ1での出場時間が450分を超え、既にプロA契約を締結を済ませている。同僚のドイツ人MFトルガイ・アルスランは「彼はすぐに海外に行くだろう」と評価し、その才能を絶賛している。

5月2日のJ1第8節鹿島アントラーズ戦(エディオンピースウイング広島/1-0)で、後半25分にフランス人FWヴァレール・ジェルマンとの交代で入ったものの、出場から5分で左ヒザ外側半月板を損傷しオーストリアの病院で手術を受けた中島。しかし既にリハビリも大詰めを迎え、夏頃の復帰を目指しているという。プラン通りに回復すれば、9月27日開幕のFIFA U-20W杯にも間に合う可能性も出てくる。