スマートフォンやPCが常に情報を収集する現代、誰かに監視されているかもしれないという懸念は必ずしも被害妄想とは言えない。空飛ぶ鳥でさえ、あなたに敵対する陰謀を企んでいるかもしれないのだ。…少なくとも、エチオピアのある村の住民たちはそう考えたようだ。
最近、エチオピアの村人たちが一羽のカモメを捕獲した。その背中には奇妙な機械装置が取り付けられていたという。地元住民たちは、これを何らかのスパイ装置と疑い、悪意ある組織の仕業ではないかと懸念を募らせた。幸いなことに(?)、送信機にはメールアドレスが残されており、住民たちは数百通のメッセージで「陰謀は阻止した」と伝えたのである。
しかし、この装置はスウェーデンの自然保護団体が渡り鳥を監視するための追跡装置だった。担当の鳥類学者たちは丁重に状況を説明し、カモメが繁殖のためにスウェーデンに戻れるよう解放を求めたが、残念ながら返事はなかったという。なんとも無礼な話だ。
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長旅をするカモメの正体
この物語の主役はセグロカモメの一種。夏の間、これらの鳥たちはフェノスカンジア(北欧の広域地域)の沿岸部で、やかましく鳴いたり、フライドポテトを盗んだりして過ごす。厳しい北欧の冬が近づくと、彼らは何千キロも離れた中央アフリカまで渡り暖かく過ごす。春になると故郷への長い旅路を再び始めるが、道中には多くの危険が潜んでいる。保護活動家たちは、鳥たちをより良く保護するため、その脅威を知りたがっているのだ。
渡り鳥保護団体バードライフ・スウェーデンは、アフリカへの往復の旅を追跡するため、約150羽のセグロカモメにGPS追跡装置を取り付けており、今回のカモメもその一羽だった。