ニッチな商品の取り扱いが来店促進につながる

――貴社の強みとなっている取扱商品の特徴を教えてください。

 当社の商品は、「NB(ナショナルブランド)商品」「国内PB(プライベートブランド)商品」「輸入PB商品」の3つに分類できます。

 NB商品の特徴は、有名メーカーにこだわらない点です。業務スーパーの店舗は他社スーパーと比較すると狭いため、取扱い商品を厳選しています。ネームバリューにこだわらず良い商品を積極的に取り扱うという方針で選定しています。知名度が少ない商品でも、安くて品質の良い製品が多くあるんですよ。

 国内PB商品の特徴は、当社の完全オリジナルの商品である点です。他社スーパーのPB商品は、メーカーに委託して作るOEM商品が多いのですが、当社は国内に15社27工場ある自社グループ工場で製造しています。そのため、お客様のニーズや時代に合わせた商品を柔軟に製造できることが大きな強みです。

 輸入PB商品は、世界約50の国や地域から商品を直接仕入れています。メーカーや問屋を介さない直接仕入れにより、中間マージンを省いたベストプライスでの提供を実現しています。また、世界の本物を直輸入し各国の有名な食品はもちろん、現地でしか知られていないような珍しい商品も多く取り揃えています。

――ニッチな需要に応える商品展開は、どのように利益につながっているのでしょうか?

 他社では置いていない商品を業務スーパーで提供することで差別化を図り、それによって売上を確保していく戦略を取っています。店舗の大きさには限りがありますので、すべての商品を扱うことはできません。鮮魚の取り扱いがない店舗も多く、鮮魚が必要な場合は他社スーパーをご利用いただく必要があるでしょう。必ずしも業務スーパーだけを利用してほしいとは考えておらず、他社スーパーとの共存を目指しています。ただし、共存しながらもオンリーワンでいたいと考えています。

 近年、海外から多くの労働者の方々が来日されていますが、母国の食品を入手することが難しい状況です。たとえば、ハラール商品は一般のスーパーではほとんど扱っていませんが、当社では積極的に取り扱っています。その結果、ハラール商品を望まれるコミュニティの中で「業務スーパーにはハラール商品がある」という評判が広がっており、多くの方々にご利用いただいています。このような商品の品揃えによって、お客様の来店頻度の向上にもつながっているのです。