高齢者の健康寿命の延伸にも寄与
中部電力は次のように説明する。
「高齢化が進み医療費や介護給付金の増加が社会課題となる中、自治体が限られた要員で効率的かつ早期にフレイルを発見して適切に介入できるよう、当社は、2023年4月から国内初の自治体向けフレイル検知サービス『eフレイルナビ』の提供を開始しております。eフレイルナビは、電力スマートメーターで計測した30分ごとの電気の使用量を、AIにより分析することでフレイルを検知し、自治体等に通知するサービスです。この通知結果をもとに、自治体職員から高齢者に対して日常生活の助言や集いの場への参加の呼びかけ等を行うことで適切な予防・改善を図るともに、高齢者の健康寿命の延伸にも寄与しております」
技術的にどのような仕組みで実現されているのか。
「電力使用量の特徴として、健康な一人暮らしの高齢者の場合、外出や家の中でも動きが活発なため、電気の使用量の変動が多くなる一方、フレイル状態の場合、掃除や洗濯をしなくなる、外出の頻度が減る、睡眠のリズムが崩れる等、電力使用量の変動の幅が小さくなる傾向があります。eフレイルナビのフレイル検知AIは、一人暮らしの高齢者が、30分ごとに使用する電気の量を分析して、『外出時間・回数』『起床・睡眠時間』『家事などの活動量(使用量の最大・最小)』といった生活パターンに関連する情報を抽出します。これらの情報に基づき、AIが学習した『フレイル』と『健康』のどちらの生活パターンに近いかを判別しております」(中部電力)