中部電力は、住居などに設置された電力スマートメーターの電力使用実績データから、AIを活用して居住者のフレイル(虚弱)を検知するサービス「eフレイルナビ」の提供を開始した。国内初となる自治体向けサービスであり、自治体はフレイルリスクの通知を受けると、対象の高齢者宅などに状況確認や予防・改善の働きかけを行う。自治体は限られた要員で効率的かつ早期にフレイルを発見して適切に介入することが求められているが、これまでの実証の結果、フレイルリスクの高い人を早期に発見し、自治体の介護予防事業における有効性も確認できたという。どのような内容・特徴のサービスなのか、また、導入した自治体ではどのような効果が生じているのか。中部電力に取材した。
eフレイルナビの仕組みはこうだ。住居などに設置されたスマートメーターで30分ごとの電気の使用量を計測し、AIを活用したコンピュータで分析。フレイル検知結果が自治体の職員に通知され、職員が声掛けなどを行う。これによりフレイルになった高齢者の早期発見につながる。フレイル検知AIは、電力データから外出時間・回数、起床・就寝・睡眠時間、活動量など、健常な人とフレイルな人の生活習慣に関するパターンを大量に学習。フレイルと推定した人の83%が実際にフレイルだという。
これまで三重県東員町や長野県松本市で実証を行い、ハイリスク者を早期に発見して予防・改善につながったり、従来リーチできなかった一人暮らしの高齢者の多くと継続的な接点ができたという。