ビットコインと金は双方とも国境のない資産です。それこそアメリカ人も日本人も欧州の人もロシア人や中国人、インド人も大好きなのです。そして資産価値の担保的裏付けに乏しく、まさに信用だけで相場が成り立ちます。以前申し上げたようにビットコインの相場なんて1万ドルでも20万ドルでも論理的説明などできず、信用創造でしかありません。ただし、ビットコインと金には採掘コストがあり、それら採掘者が市場に売り出すことで過熱相場の冷やし玉となります。市場価格が採掘コストを下回るのは信用相場を前提とすると考えにくいとも言えます。アメリカ資産の信用が低いなら国境なき代替資産への需要は当然生じると考えています。

ハーバード大学問題

トランプ氏の話題が連荘になってしまい、申し訳ないですが、このハーバード大学へのトランプ氏の締め付けは個人的に許されないと思います。それこそ違憲であり、大統領としての地位を利用した強権以外の何物でもないと思います。イスラエル問題は日を改めて書きますが、要は全米のハイランクの大学にリベラル思想が強く、イスラエルの行動を容認できないとする学生が多く、大学側もそれを放置したことに対して大学向け補助金カットや留学生の禁止で大学経営を行き詰まらせようとしているわけです。ハーバードは訴訟していますが、もちろん大学が倒れることはなく、世界から支援の輪も広がるでしょう。

ハーバード大学 Marcio Silva/iStock

この話を聞いて思い出すのが1973年の映画「追憶 (The way we were)」。映画館で2,3度見たと思いますが、いわゆるベトナム反戦運動が60年代にアメリカで学生を中心に展開された記憶もまだある中で公開されたこの映画はまさに名画の1つといえるでしょう。重たい内容の映画ですが、今のアメリカと重なるストーリーラインかもしれません。反戦派の彼女とWASPの彼の恋愛物語を時代背景と思想面から鋭く追及したものでポラック監督にストライサンドとレッドフォードが主演、音楽がハムリッシュで当時敵なしのキャスティングでした。