3. 「背の高い男の人が入りたがってる!」

 あれは数年前のクリスマス、息子が3歳になったばかりの頃だ。父方の親戚のために叔母が大きなパーティーを開いたので、私たちはそこへ出かけた。ちなみに私の父は、私が15歳の時に亡くなっている。息子は到着するなり玄関に立ち尽くし、食事にも他の客にも近づこうとしなかった。

 やがて叔母と私を呼び、「ドアを開けてあげて。男の人が入りたがってるから」と言った。私たちは気のせいだと思ったが、息子はさらに不安そうな顔で大声で叫んだ。「背の高い男の人が入りたがってるの!」そして彼はリビングに駆け込み、私の父の写真を指差した。私は息子に父が亡くなったことも、写真を見せたことも一度もなかった。写真の父は椅子に座っており、背が高いとは分からないはずなのだが(実際、父は193cmと長身だった)。私たちは念のため、数分間ドアを開けておいた…。