鎮痛剤は胃痛の副作用が出やすい。ある時、ミイラのように湿布をほとんど全身に貼っていた高齢者が居た、それで胃が痛いという。まさに自爆行為だ。
田中内閣の老人医療費無料化は、国民皆保険と長寿化、核家族化、農林水産業衰退と相まって暇で不健康な高齢者を生み出した。暇な高齢者はちょっとした不調も気になる、医療費タダ冷暖房完備、病院に行くに決まっている、行けば同好の士ばかり、話は弾む、ゆえにサロンとまで言われた。
その後国家財政悪化で自己負担と言っても基本一割さらに特例色々でタダと大差ないワンコイン以下、気軽に病院をハシゴし山のような薬をもらい病気自慢する高齢者、故の高齢者医療費問題である。既に高齢者医療は保険として破綻しており、ゆえに別建て医療保険として切り離した。これを現役世代の組合健保の拠出金で支える、というより貢がせている。
健康保険制度の本来の目的とは何か
健康保険とはその名の通り、健康を回復して社会復帰し労働あるいは自立するための、互助システムである。そもそも保険とは、皆が支払った保険料より支払われる総医療費が少なくないと成立しない。多くの人が医療を利用せず保険料を支払い、一部の「運が悪い人」だけが医療を利用する、のでなければ立ち行かない。皆で仲良く病院で病気自慢、では破綻して当然である。
その点で高額医療費と言えど、回復し社会あるいは家庭に復帰し支える側に戻らなければ、施しいや捨て金になってしまう。それでは保険の体をなさない。高額療養費を給付すべき・して良いのは、大前提として社会家庭労働に復帰できること。ないしは年齢や社会家庭での立場に鑑み疾病に侵されるがままに苦しみ死にゆくのを看過するに堪えない場合、例えば現役世代のガン、難病などであろう。もちろん本人の生きる意志が最優先事項である。
長生きしても独居あるいは特養さらに入院した高齢者に家族が面会に来ない、と言われて四半世紀以上だ。医療費は安くても他の経費を転嫁するようになった。家族は高齢者に搾り取られてヘロヘロなのだ。そして自分の意志によらず管で生かされる。それが今の日本の長寿、百寿の現実である。