そのような中、フランシスコ教皇は教会の刷新には積極的な発言を繰り返してきた。バチカンで昨年10月、教会の刷新、改革について話し合う世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会が開催されたが、教皇はシノドス開会前のサン・ピエトロ広場でのミサの中で、「私たちの集まりは議会ではなく、共同体だ。シノドスは多様性の中で調和を生み出すことが目的だ」と語り、シノドスを通じて教会の精神的刷新を期待していた。

「天国は近づいた」と荒野で叫んだ洗礼ヨハネのように、フランシスコ教皇は自身の命が絶えるまで努力した。聖週間の期間に亡くなった聖ヨハネ・パウロ1世と同じように、復活祭後の聖月曜日に88歳で亡くなった。

教皇の死後、20日以内に次期教皇を選出するコンクラーベが招集される。そこで3分の2の支持を得た枢機卿が次期教皇に選出される。選挙権を有する80歳未満の枢機卿(135人)のうち、3分の2以上はフランシスコ教皇によって任命された枢機卿(108人)だ。フランシスコ教皇は実行できなっかった教会刷新という任務を自身が選んだ枢機卿に託することになる。フランシスコ教皇の教会路線は継続されるわけだ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年4月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。