「ママとパパ、昔みたいに笑って」

転機は、思いがけない言葉でした。

ある日、夕飯の後、息子がぽつりと言ったのです。

「ママとパパ、昔みたいに笑ってたよね?なんで今は笑わないの?」

その言葉に、ハッとしました。

息子がまだ小さいからって、気づいていないと思ってた。

でもちゃんと見てたんです、私たちの冷たい空気も、交わらない言葉も。

隣で夫も黙って俯いていました。

言葉は交わさなくても、あの瞬間、夫も何かに気づいたのだと思います。